能「半蔀(はじとみ)」
夏の夕べ、花供養を営む紫野の僧に、夕顔と花の名を告げて花陰に姿を消すひとりの女。やがて半蔀の内から夕顔の上の霊があらわれ、光源氏との短い、ひそやかな恋を回想し、夜明けとともに再び半蔀の中へと消え入ります。 ぽってりと丸みを帯びた「小面(こおもて)の面に、夕顔の上の少女めいた、かぐわしい息づかいまでもが聞こえてくるようです。
小面(作者不詳 江戸初期)