室町幕府はどこにあったのですか?
細かいことをいうと、室町幕府は3ヶ所にありました。
1333年、足利尊氏(当時は高氏)が京都六波羅幕府軍を、新田義貞が鎌倉幕府軍を倒し、鎌倉時代は終焉を迎えます。その後足利尊氏は鎌倉に向かい、旧鎌倉幕府跡に住居を構えます。これがある意味最初の幕府というわけですが、このとき彼は征夷大将軍を自称しており、その後京都の後醍醐天皇を中心とする政権との決着を必要としました。
尊氏はその後入京し、光明天皇を擁立して1338年に征夷大将軍に任命されます。この前にには新田義貞や北畠顕家、楠木正成らとの戦いがあるのですが、これについては教科書や専門書をお読みいただき、造詣を深めていただければと思います。
入京後、尊氏は二条高倉近辺、清浄華院(しょうじょうけいん)の境内地に住居を構え、ここを室町幕府としました。幕府の機能自体は三条坊門万理小路(ぼうのもんまでのこうじ)にあったためか、この頃の幕府は「三条御所」と呼ばれています。これが2つ目の室町幕府であり、正式な室町幕府の誕生です。
この建物は「等持寺(とうじじ)」と号され、寺としての機能を備えていました。幕府の機能が別の場所に移ってからは足利家の菩提寺として保護されましたが、応仁の乱で消失し、等持院に合併されました。等寺寺町という地名があり、当時の名残が見えます。