芥川龍之介の小説で有名な羅生門(らしょうもん)ってどこにあったのですか?
「羅成門(らじょうもん)跡」というモニュメントがあります。バス停もありますね。
故黒澤明監督が映画化したことでも有名な「羅生門」ですが、この原典は、平安時代の説話集である「今昔物語集」の中にある「羅城門登上層見死人盗人語」(29巻第18話)になり、正式には「羅城門(らじょうもん)」といいます。
羅城門は、平安京の中央部を南北に走る朱雀大路の南端部に建てられた門です。現在の度量で言えば、幅32m、高さ12mといいますから、大層立派な門であったことは間違いありません。
朱雀大路は現在の千本通にあたります。最南端は九条大路(現在の九条通)ですから、千本九条あたりにあったことになります。また、羅城門を守護する目的で東寺・西寺が建造されています。
「羅城」とは中国の言葉で「城壁」を意味し、この門があった地域の地名でもありました。本来の読み方という意味では「らせい」「らいせい」と読むらしいので、「らせいもん」「らいせいもん」が最も正しい呼び方ということになります。
中国の故事にちなみ、楼上には毘沙門天像が安置され、天敵退散の願いを込められていたものと思われます。現在東寺に安置されている「兜跋毘沙門天像(とばつびしゃもんてんぞう)」がそれであるといわれています。