一休さんの「このはしわたるべからず」で有名な橋って本当にあるのですか?
あったのかもしれませんが、さてどこでしょうねぇ…
「このはしわたるべからず」ってわかりますよね?アニメでいえば、桔梗屋さんの前の橋のたもとに「このはしわたるべからず」って書いてあるのに橋を渡った一休さんが、その理由を聞かれて、「はし(端)は渡っていません。真ん中を渡りました」と答えたというあれです。
一休とんち話の元をたどるならば、江戸時代の読み本「一休はなし」ということになるのではなると思います。読み本というだけあって、仏教説話的な要素も持ってはいるものの基本的にはユーモラスなとんち話です。内容はすべてが創作といえます。
この「一休はなし」の中に、養叟和尚に連れられてある家に招待される一休の話があります。その家の前に橋があり、「このはしわたるべからず」とあったというわけです。この話こそが「このはしわたるべからず」ですが、長々と語られるわけではなく、事実だけが淡々と語られた短い話です。
ですが、安国寺にて一休の師となる僧の中に養叟という人物はいません。近い名前の人物ならば、華叟という堅田に庵を結んでいた僧侶がいます。一休が20代になってから師事した人物で、一休という名を授けた人物です。読み本ですので、この人物から名前を取ったかどうかすら不明です。
このとんち話、その後も幾度か再編されたり、幼年向けに話を変えられたりします。その中のひとつに「このはしわたるべからず」も含まれており、子供向けのエピソードとしてはかなりポピュラーなものとしてアニメ化されたのでしょう。